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2学期 始業式 式辞(10日間の夏休みを終えて)

SDGs授業の様子
2学期始業式 R2.8.18.
みなさん、おはようございます。
わずか10日間の夏休みでしたが、元気にしていましたか?
私は、毎日、何度もコロナウィルス感染等の報告がないかをメールで確認していましたが、一度もありませんでした。これは、みなさんが感染防止の努力を怠らなかったためだと思っています。しかし、大阪府立高校では、休業となった学校が17校に及んでいます。みなさんはこれからも油断することなく、三密を避けながら、周囲にも気配りある行動を続けてくれるものと信じています。また、このところの猛暑日の連続は記録的なものになっています。学校においてもWBGTと呼ばれる暑さ指数の計測のもとに活動の判断をしていきますが、高校生であるみなさんは、自分の体調や水分の補給度を冷静に判断し、早い目に自分や友達を守るための行動や連絡をとってください。
今日は、今の、予測できない不安な日々を頑張っているみなさんに、一つだけ話をしたいと思います。
今、みなさんはこれまでになく一人でいる時間が増えたと思います。勿論、勉強には一人でたくさん時間をかけていることでしょう。そして情報入手や友達とのコミュニケーションなどはメールやSNSを使うことが増え、中には既に過度にはまり込んでいる人がいるかもしれません。また今後は学習にも活用されることにもなっていきます。
私は、ある心療内科医が書いた書物を読みました。SNSが発達した現代では、自分のことについて、他人からの承認を過剰に求める人がふえている、というものです。日々の出来事を連日のように複数回投稿し、自分を精力的にアピールするだけでなく、友達など他人の愚痴や怒りや不安までを他者に認めてもらおうとするようです。つまりそのような人は「控えめな行動は苦手でありながらも、芯の弱い人」であり、患者に多くなっているタイプだそうです。
逆に、「ひかえめだけど、芯の強い人」というのは、自分自身の価値観や判断基準というものをしっかり持っているからこそ控えめでいられるし、他人の意見によってフラフラと左右されない芯の強さが保たれていると言えます。
私は本校の皆さんは、どちらかというと3年間を通して、「控えめであっても、芯の強い人」に育っているように感じています。
勿論、まだ成人に満たない高校生ですから迷いや不安、怒りなどをコントロールすることは簡単ではありませんし、プライベートではそういう行動をとる時もあるでしょう。
しかし、皆さんの毎日の授業や学校生活の様子を見聞きする限りにおいては、常にお互いを大切にして譲り合いながら学習活動と共同生活をうまく行っています。
つまり、控えめながらもきっちりとやるべきことをぶれずにやっている芯の強い人に成長していると思っています。
先日の保護者懇談の様子を少し聞きましたが、情勢が不安なこの状況の中でも、多くの生徒が控えめな態度ながら 冷静に保護者とも向き合い、前向きで元気な話をしていると聞き、自分を信じて努力を続けている芯の強い姿を想像して、少し感動しました。
発明王のエジソンは電球を発明するのに1万回失敗したそうですが、「自分は失敗したことはない1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」というエピソードはとても有名です。みなさんも他人の無責任な意見や承認に頼らず、目標に向かって、学校や家での質の良い学びを地道に心がけてください。そして日々様々な経験を積極的に積んでいくことを続けて、「控えめであっても芯の強い人」になってもらいたいと思っています。
最後になりますが、皆さんにお知らせしておきます。2年生の総合的な探究の時間において728日と84日に分けて「SDGs教室」という授業をしました。
これは国連が掲げた国際規模での持続可能な開発目標について意見を出し合い共有しようとするもので、経済、社会、環境のバランスを考えながら地球温暖化や貧困といった課題解決のためにどう行動するべきかを学びました。2年生の皆さんは積極的に参加して考え、意見を出し合ってくれていました。このことは88日の朝日新聞に掲載されていますので、機会を見つけてご覧ください。
では、まだまだ猛暑が続きますが、健康管理を優先しながら、今日からの頑張りを期待して2学期始業式の挨拶とします。
阿倍野高等学校 校長 古元 康博