令和2年度 阿倍野高校 新入生へのメッセージ
第75期生となる新入生の皆さんご入学おめでとうございます。38日の遅れとなりましたが、阿倍野高校は、皆さんを心から歓迎いたします。
コロナウイルス感染拡大防止対策の影響は、誰も経験したことのない想像もしなかった事態であり、これまでだけでなく、これからも予測のできないことがまだ続くかもしれません。しかし、私たち教職員はそのような時に大切な高校生活のスタートを切る皆さんを、精一杯応援し続け、3年後には想像以上の素晴らしい思い出になるような卒業式をめざして、皆さんと共に頑張りたいと思っています。
本校は、大正11年に第十一高等女学校として創立し、大正、昭和、平成のそれぞれの時代を経てきました。そして皆さんは令和時代初めての入学生となります。また、皆さんが3年生になる2022年には創立100周年を迎え、その記念式典においては同窓生や関係者など多くの人が集まり、皆さんが在校生の中心となって盛大にお祝いする計画を進めています。本校の芝蘭会という同窓会はPTAやサポーター会とともに学校を見守り、たくさんの支援や応援をしてくださいます。校門や中庭の華やかな花々もその一つで、歴史のある伝統校の良さを大切に守りながら、生徒が安心して過ごし、伸び伸びと成長できるようにサポートしてくださっています。登校日には是非、彩り鮮やかな花壇を観てほしいと思います。
本校の教育は生徒の希望する進路の実現に向かって、基礎学習から進路別の選択するカリキュラムまで、よりわかりやすい授業展開をめざしています。また、自分や他人を大切にする 豊かな心の育成など、阿倍高に入って良かった という魅力ある学校づくりにも取り組んでいます。そして皆さんには、中学校時の取組みに引き続いて、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な能力や態度も育てるキャリア教育も進め、将来の夢や目標をイメージして具体化できるようなキャリアデザインの形成力をつけていきます。
本校の校訓は 『自律、敬愛、共創』 です。生徒は、自らが規律を守り、マナー意識を持って正しく行動する『自律』できる生徒です。また、自分や他者を大切にし、相手を敬い、親しみの心を持ち、協力や共働しあえる『敬愛』する心を持つ生徒集団でもあります。 そして『共創』は、これからAIやロボットが担う仕事が増え、社会構造や働くことの価値観が大きく変わる時代が訪れることに対し、社会が人に求める新たな価値観を他人と共に創り上げていく力、つまり『共創』する人材の育成をめざして教育活動に取り組んでいきます。例えば、グローバル化社会にむけた英会話コミュニケーションの実践や、自分の考えを人と話し合いながら社会観や職業観に変えて将来の具体的なイメージに結び付ける探究活動などです。我々教職員も皆さんとともに挑戦的に取り組みたいと思っています。
では、これから阿倍高生として歩み始める皆さんには、どう頑張ればよいかを三点挙げたいと思います。
【1】まず授業を大事にし、自分から率先して学ぶこと
高校生になったからには、言われたことをやるだけではなく、自らの思いを持って主体的にどんどん学んでください。これからは知識をつけるだけでなく自分の考えを表現したり友達と共有したりする授業も増えていきます。また、自分の将来の目標ができれば、より学力の向上は進みます。特に今は、授業ができず、学校生活の開始がいつになるのか確定できませんが、そのことを逆に、「自分にこんなに時間を与えてくれたんだ」とチャンスにとらえて、家庭学習やオンライン授業などに積極的にチャレンジしてください。また、中学校の復習や新しい教科書に先に挑戦することでも構いません。言えることはその判断と行動に損はなく得しか生まれません。
【2】 部活動などに所属すること
クラブに頑張った生徒は、努力することをはじめ、競う力、時には悔しい経験もあれば、仲間との協力や、団結などで信頼関係を築き、人としての成長がなされます。 その経験が力となって、高い目標を達成することも珍しくありません。また、阿倍高塾と呼んでいる「外部講師による出張講座」もあります。自分の可能性を広げ、高い志をもって、自分らしい高校生活を計画してほしいと思います。
【3】 人と話をすること
相手の思いを理解し、自らの思いを伝えられる人になってください。まず先生には遠慮せず自ら対話をしてください。うまく伝わらなかったり、自分が理解できないこともあるでしょう。しかしその経験の積み重ねが大切です。また、本校では生徒一人一人の個性を尊重し、寄り添った丁寧な指導を大切にしています。話するのが苦手な人も担任の先生などに気軽に声をかけてみてください。うまく話せなくてもきっとあなたのことを理解してくれるでしょう。そしてそのスタートはあいさつからです。まずは、校内で出会った全ての人に元気よくあいさつをすることから始めて下さい。 本校の先輩たちも、よく挨拶するし、皆さんにはわからないことは何でも優しく丁寧に教えてくれる良い先輩ばかりです。
自分を変えよう、挑戦しようという少しの思いを勇気に変えて自分の歩幅で一歩ずつ踏み出す行動に移しましょう。
これからこの阿倍野高校で新しい令和の時代を、皆さんが巻き起こす新しい風に期待しています。
令和2年5月15日
大阪府立阿倍野高等学校 校 長 古元 康博